2013.8.6 第17回 STOP TPP!! 官邸前アクション

 ●IWJ

2013/08/06 山本太郎議員「これ絶対に止めましょう。僕たちの生活、根底から覆されちゃいますよ」~STOP TPP!! 首相官邸前アクション

【動画】http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95063

 参院選後、そして日本のTPP交渉参加後、初のSTOP TPP!! 官邸前アクションでした。

 また、去年の8月から官邸前抗議を始めて1年が経ちました。

 多くの方が、何回も継続して参加下さいました。ありがとうございます。

 

 本当は1年続ける前に、参加表明を撤回させる事ができれば良かったのですが、残念ながら、まだまだ抗議行動を続けていかなければなりません。

 

 参院選の結果は残念なものでしたが、これまで一緒に活動してきてくださったTPP反対の方々も当選しました。

 8月6日は、日本共産党の紙智子議員(皆勤賞記録継続中です!)と吉良よし子議員、社民党の福島みずほ議員、無所属の山本太郎議員も駆けつけて下さいました。

 

 今回は、参加者の皆さんのスピーチ部分を簡単にまとめましたので、ご参照下さい。

(修正を入れますので、転載はご遠慮下さい。)

 

 

安部芳裕:

723日、日本はTPPの交渉会合に参加という事になりました。

その際、秘密保持契約にサインをして入ったわけです。

これまで「内容が分からないものに入るのはおかしい」と我々は言っていましたが、政府の方は「今は交渉に入っていないから内容が分からない」と言っていました。

入ってみたら、今度は「守秘義務があるから話せない」と言っているわけです。

もうこれまでとは、運動の方針を変えていかなければいけません。

これまでは「交渉に参加するな」と言っていたわけですが、もう交渉に参加してしまったので、これからは「交渉から撤退せよ」と声を上げていきたいと思います。

 

明日87日から、日米並行協議が始まります。

そして、822日からブルネイで交渉会合が始まります

9月はもともとアメリカで予定があったんですが、これは今不確定になって、107.8日のAPECで基本合意に至るというスケジュールで進んでいます。

9月は二国間の協議を続けていくという形になっています。

このAPECで本当に基本合意に至るのかどうかはまだ不確定なんですね。

まだまだ話し合いが続く可能性が十分にあります。

 

気を付けていただきたいのは、多国間でのTPP、二国間での日米並行協議、さらに今、国家戦略特区というものが進んでいます。

これが進められていくと、TPPに入る前に、TPPに入ったのと同じような状況になってしまいます。

多国間、二国間、そして、内側から規制改革が行われている。

要するに、資本にこの国を売り渡すという事です。

この選挙によって情勢は厳しくなりましたが、まだまだ諦めずに頑張って反対していきましょう。

 

紙智子議員:

再選を果たしてここに参加する事が出来て嬉しく思います。

共産党は、3議席から8議席に増え、非改選とあわせて11議席となり、院内交渉会派となりました。その力をフルに生かして、全力で皆さんの願いを叶えるために、頑張っていきたいと思います。

 

723日から日本はTPPに参加し、最初の入口のところで守秘義務を果たさなければならないという事でサインをさせられました。

国民、国会議員、国に対して大事な事を何も語らないまま交渉に入る事は本当に許せない。

こんな異常な交渉はないと思います。

しかも、マレーシアの会議の中で、さんざん自民党が国民に公約していた「重要五品目、守れなければ撤退」が守れない状況がはっきりしてきているのに、撤退を言わなくなってきている。

それどころか、条件闘争に入ろうとしているという事も本当に許せない。

23重に国民をごまかしています。

ただちに撤退を求めるという事では声を大にして、さらに一層国民共同の戦いを広げようではありませんか。

 

82日から国会が始まり、明日閉会です。

この短い国会で、マレーシアに関する質問主意書を出しました。

 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/184/syuisyo.htm )

国会は、次は10月に召集という事になります。

その間何も議論されないというのは、とんでもない話ですので、閉会中の審査を求めていきたいと思います。

 

 

吉良よし子議員:

皆さんの力で参議院議員に送っていただきました。ありがとうございます。

1%の利益のために99%を犠牲にするTPPは許せません。

自民党は勝った勝ったと言っていますが、決して国民は白紙委任したわけではないですよね。

TPP参加していいと言った覚えはありません。

TPP阻止するために全力で頑張っていきます。

 

福島みずほ議員:

TPPについては、自民党の二枚舌を許す事が出来ません。

私も質問主意書を出しました。

( http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/184/syuisyo.htm )

情報公開をきちっとやれと、日本は秘密保持契約に署名したわけですが、その具体的な中身を出せと。

今まで、政府は交渉に参加していないから内容が分からないと言っていたわけですが、今度は秘密保持義務があるので話せないというのでは、いつまでも国民は中身が分からない。国民不在でやる事は許せない。

 

でも、これからこの秋に、秘密保全法案が万が一成立したら、外交と防衛と公共と秩序の維持が秘密の範囲に入っています。

TPPもこの秘密保全法の対象になってしまうのではないかと心配しています。

 

そして、山形で自民党以外を応援したJAに対して、カルテル疑惑で独占禁止法違反だと捜査が入ったと報道で聞いています。

でも、自民党以外を応援する事で、なんでこんな事になるのか。

私は、こんな事にも権力の介入や横暴を許してはいけないと思っています。

 

TPPに参加して、日本国民にとっていい事はありません。

安倍内閣の新自由主義。

国民生活の破壊、社会保障の切り捨て、雇用の規制緩和とつながっていくようなTPPに、断固一緒に反対していきましょう。

 

築地の中澤さん:

農林水産省に私たちが行くと、農業や漁業を大型化するから大丈夫だと言われる。

不思議な話です。

輸出を増やせば、TPPやっても大丈夫と言う。

どれだけ輸出を増やすかと聞けば、これから考えると言う。

 

安倍政権は、農業・漁業を集約化する事に熱心です。

大型化してどうにかなるんだったら、製造業は外国へ出て行かないでしょう。

トヨタだって何だって、国内で努力して何とかなるんだったら、外国に出ないでしょう。

大企業が出来ない事を、どうして中小の零細の農業・漁業が出来ると言うんですか。

とんでもない話ですよ。

 

郵政産業労働者ユニオンの吉原さん:

悔しくて悔しくてたまらないので、前に先輩が作ってくれた被り物をして、ユニオンの代表になろうと思ってきました。

 

この会社に入った時に、先輩から「君が手にしているはがきは、モノじゃないんだ。お客さんの心がこもっている大切なものだから、大切にしなさい」と言われました。

ところが、郵政民営化されて、心を運びたいのにも関わらず、一枚のはがきが50円だというモノになってしまった。

TPPに入ってしまえば、もっとこれがひどくなる。

人の心を運ぶことを誇りとしている私たちは、これを絶対に許すことが出来ません。

 

私たちの知っているおじさんおばさんが、1円1円貯めてくれた郵便貯金、そしてかんぽがTPPに入ると食い物にされてしまいます。

アフラックなどは審査があり、自分の親も二次審査で落とされました。かんぽはそんな審査はなく、誰でも入れますよね。

貯金だって、シティバンクでは一定額以上貯金がないと、口座維持手数料が取られますが、全国どこでもどんな家でも、ちゃんと使えるゆうちょは素晴らしいと思いませんか。

みんなが貯めてくれたお金。それは日本のすみずみの人たちが、貯めてくれたお金なんです。

それが食い物にされるのは、絶対に許せません。

 

安部芳裕:「参院選の総括」

動画29分過ぎ~

 

使用した資料のPDFはこちらです→ http://twileshare.com/avqh

 

今回の選挙も自民党が圧勝しました。

改選121議席の中で、自民党は過半数以上を単独で取りました。

公明党との連立で、3分の2議席まではいかなかったが、TPP推進派の野党を合わせると9割議席を取っている。

非改選と合わせて合計242議席では、自民党は単独では過半数はいっていないが、TPP推進派の党で、全体の9割以上を占めてしまった。

 

TPP反対派では、共産党は議席を増やしたが、それ以外の党はほぼ壊滅状態、ということになってしまいました。

 

比例の「絶対得票率」を見ると、自民党は18%未満です。

自民はたくさん議席を取りましたが、自民に票を入れている人は実は少ないです。

 

自民党は、比例代表に比べて選挙区の方では、約422万票多いです。

一方、公明党は、逆に比例の方が選挙区よりも、約484万票も多い。

これはなぜかというと、選挙協力をしているという事ですね。

公明党の票が自民党にいっている。

だから自民党はとても強い。

選挙協力をした自公は勝ちましたが、他のところは選挙協力が出来ず、票を喰いあってしまった。

 

参院選の投票率は、過去3番目に低く52.61%でした。

約半分の人が選挙に行っていないんですね。

投票率が低ければ低いほど、組織票を持っているところは強い。

その結果、自民党が勝ちました。

 

20代の投票率が低く、高齢者の方ほど選挙に行く。

若い人ほど、人数が少なくて選挙に行かない。

という事で、政治家から見ると、これはやはり高齢者向けの政策、先の事をあまり考えない政策を始めるんですね。

ですから、若い人にもっと選挙へ行ってほしい。

 

自民党の強さは地方議員の多さにある。

日本全国市町村、いろんな首長がいますが、一斉に集票マシーンとして票を持ってくる。だから強いです。

 

無党派の人は、2012年の衆院選では維新に入れた人が多かったですが、橋下さんの暴言があり、今回は維新がだいぶ少なくなり、自民とみんなの党に流れました。

 

自民党の組織票の中で一番票と取ったのは、全国郵便局長会なんですね。

同会顧問の柘植芳文議員が、比例代表の中で一番票を取っている。

二番目が全農の山田俊男議員です。

( http://senkyo.mainichi.jp/2013san/kaihyo_hirei_ichigyo.html?sid=001 

 

初当選者は64名中、自民党が37名。

TPPの鍵は自民党が握っています。

新しく当選した人は、まだ党の色が付いていない。

これから党の色に染まっていくと思うので、今のうちにロビー活動をして、TPP反対派に入ってもらう事が重要です。

 

特に、柘植さんがキーポイントです。

郵政はTPPに入るとやられてしまいます。

ぜひ柘植さんに働きかけて、郵政に反対に回ってもらいましょう。

 

一票の格差の問題があります。

前回の衆院選も今回の参院選も、違憲でした。

最終手段として、自民党がTPPに入ったとしても、政権交代をすれば、あの内閣は違憲なんだから正当性はないんだ、違憲状態の内閣が決めたTPPに我々は入る必要はないという理屈が通ります。

だから3年後、ひっくり返せる可能性はある。

諦めずに、頑張っていきましょう。

 

新日本婦人の会の根本さん: 40分過ぎ~

安全な食べものが食べたい、家族の健康を守りたい、日本のものをきちんと食べたいという事で、農民連と一緒に産直運動を続けてきて23年になります。

TPPの学習を重ねていくうちに、農業だけの問題ではなく、暮らし全ての問題だという事に気づきました。

これでは主婦が黙っていられない、なんとか参加を阻止しなければという事で、署名活動や駅前での宣伝行動などの運動を続けてきました。

 

でも、参加になってしまいました。

私たちはこれからどういう活動をしていけばいいかというところでは、やはり、TPPの(異常な)状態ををうんと知らせていかなければならない。

私たちだけでは出来ないので、皆さんと一緒に、見える活動、見える宣伝を大きく広げる活動を今後も続けていきたいと思います。

 

「サルでもわかるTPP」

by安田美絵

日本郵政とアフラックの提携について 46分過ぎ~

 

この話が持ちあがる前、実は日本郵政は日本生命との提携を予定しておった。子会社であるかんぽ生命で、日本生命の開発した がん保険を売る事を計画しておったのじゃ。 

その話が流れてしまったのは4月。

日米事前協議の結果が発表されたのと同じ412日に、麻生太郎財務相が、「かんぽ生命が新商品を申請しても認可しない」と異例の表明を行なった。

麻生副総理は、日米事前協議とは関係ないなどと言うが、信じられるわけがない。

 

日本政府はアメリカの言うなりになって、日本郵政をアメリカに差し出す事に熱心だと見える。

その証拠の一つが、日本郵政の社長人事じゃ。

坂篤郎氏は去年の12月に就任したばかりだったが、官邸の意向でこの6月に更迭され、西室泰三氏に代わった。

 

小泉・竹中の新自由主義路線の最たるものが郵政民営化だったが、財務官僚時代、竹中氏の天敵と言われた人物が坂篤郎氏。坂 氏は郵政民営化に大反対をした亀井静香議員の流れを組む人脈でもある。

一方の、西室泰三氏は、東芝の元社長で、郵政民営化委員会の委員長を務めた人物。

つまり新自由主義・民営化に「反対」から、「推進」へと社長の首はすげ替えられてしまった。

その結果実現したのが、今回の業務提携というわけじゃ。

 

アフラックのがん保険を扱う郵便局は、これまでも1000か所ほどはあったが、今回からは、かんぽ生命の直営店約80か所だけでなく、全国の郵便局約2万局で売る事になった。

 

アフラック日本代表のチャールズ・レイク氏も、政府間の交渉とは関係ないと言っているが、信じられるわけがない。

このチャールズ・レイク氏も、元USTRの 日本交渉担当、そして在日米国商工会議所の会頭も務めた事がある。

いわば、ミスター外圧とでも言うべき人物じゃ。

 

政府の信用をバックに、がん保険を売るのはけしからんと言っておきながら、アフラックは、政府の信用をバックにがん保険を売ろうとしている…。理屈が通らないではないか。

 

こんな風に、USTRから天下りしていてコネがあり権力がある強い企業だったら、傍若無人な事をしても許されてしまうのがTPP

そして、国有企業を民営化し、国民の財産を外国企業に提供してしまうのがTPP

 

日本郵政とアフラックの提携はこの事を象徴しておるのじゃ。

 

にゃんとま~さん: 5530秒過ぎ~

茨城県に、農林水産省傘下の独立行政法人 農業生物資源研究所がある。

また、筑波大学もあり、農業研究が盛んな土地柄です。

生物資源研究所が主催する遺伝子組み変え圃場の見学会があり、参加してきました。

 

米に関しては、試験栽培に入っています。

2種類あって、害虫に抵抗性のある遺伝子組み換えイネと、花粉症に対して抵抗性のあるイネを栽培実験しています。

 

さらに、トウモロコシと大豆の遺伝子組み換え・非遺伝子組み換えの比較展示もあったが、これは独立行政法人が作ったものではなく、モンサント社とシンジェンタ社が提供したもの。

つまり、独立行政法人自体が、協力しているわけです。

 

イネはまだ商業栽培できる状況ではないが、一番実現性が高いものは、遺伝子組み換えカイコです。

どういう糸を出すかというと、ある光線に当てると、蛍光糸を出す遺伝子組み換えカイコなんです。

 

日本はもともと戦前から、カイコに関してはものすごく研究されてきた。

遺伝子組み換えではなく従来の研究で、飛べないように改良してきている。

さらに、遺伝子組み換えして光るようにさせられていて、おぞましさを感じた。

 

北米や欧州では承認されない遺伝子組み換え作物を、日本はどんどん承認していっている。

日本は遺伝子組み換え大国になっています。

 

茨城県南部は、独法とシンジェンタ社とモンサント社があり、TPP最前線になってしまった。

県南からこの3つを追い出さないと近い将来大変なことになるから、阻止していきたい。

 

1分間スピーチコーナー 

群馬県から来た大学生:

試験期間中で忙しいけれども、日本がTPP交渉に参加したことで、いてもたってもいられなくて、このデモに参加しに来ました。

 

消費税、TPP、原発再稼働にしろ、どうして国民の声を聞かないのでしょうか。

 

東日本大震災から2年が経ちました。

関東大震災や阪神淡路大震災の時も、23年経った後に大不況に陥りました。

大不況に陥った理由の一つは、政府の失策によるものです。 

老若男女すべての人の為にも、TPPは撤回するべきです。

 

若者が政治の問題に関心を持つ事も、日本をよくする為の大事な一歩です。

皆さん、関心を持って政府に言いたいことを訴えていきましょう。

 

 

渋谷から来た女性:

TPPは、もう日本の中で始まっている。

消費者庁は、TVで宣伝しているような、いわゆる健康食品が、効果効能を表示することが出来るような制度を目指しています。

健康食品の効果効能が、これまでは国がきちっと認めないと表示できなかったが、今度は企業等の責任で書けるようになります。

アメリカのダイエットサプリメントと同じような制度にするそうです。

ですから、もうアメリカが要求するような薬のネット販売が、既に現実になってきている。

これから、健康食品を食べて体を壊したとか、だまされたとかいう話が、もっと増えていくと思います。

 

国民が何を望んでいるのかというのを飛び越えて、みんな勝手に決めてしまう。

クレジット契約する時には、契約書をよく読んでから契約しましょうと言っているのに、みんな秘密でやっている。

民主主義の社会の中で、何だか分からないものに参加する国はおかしい。

民主主義が壊れ始めている。私たちは、やっぱりここから反対していかなければならないと思います。

 

まつだよしこ: 1時間20分過ぎ~

 

315日に日本は参加表明をし、412日に日米が合意をしました。

その後に、アメリカでは公聴会が開かれていて、一体日本はどういうつもりでTPPに入ってくるのかと、議員の人たちがUSTRに聞いていたわけです。

 

3月、4月の時点では、日本は今までずっと非関税障壁については守ってきたんだけれども、TPPに本当に入る気があるのかと聞かれた時に、いや日本はすべてテーブルに乗せると言いました、例えば牛肉に対する輸入規制を緩和したという事は、日本は喜んでTPPに入って来たいと思っているのだという説明をしていました。

 

それではいけないと思って、この官邸前アクションの場でも呼びかけましたが、日本の政権与党の自民党がいろんな条件を付けていて、それを全部クリアしたら、TPPTPPでなくなってしまう、そういう決議をしています。

農林水産委員会の方でも、もっと厳しい内容の決議をしています。

それを英訳したものを、インターネットで署名を集めまして、議会の方全員へFAXをしました。

 

私たちだけでなく業界、農林水産委員会の方でも、主要の議員たちに送っているとの事です。

それが直接の原因か分かりませんが、718日にまた公聴会が開かれ、新しUSTRの代表・フロマン氏に対する質疑でしたが、議員の人が質問する際に、手元の資料の見ながら、「米、麦、牛肉、豚肉、砂糖」と言い、日本はこういった事を言っているじゃないか、けしからん、と言っていました。

私たち日本人がこんなにTPPに賛成じゃないという事は少しずつ伝わり始めているんじゃないかと思います。

 

参院選では、自民党が快勝をしました。

海外からは、これで日本は規制改革は進む、労働基準は緩くなるだろうし、TPPの事も喜んでやるだろうというニュースが入ってきたんですけれども、実際は皆さん、違いますよね。

TPPは全くと言っていい程、選挙の争点にはなりませんでした。

 

自民党は今回インターネット選挙が解禁になるにあたって、ビックデータを使って、選挙を戦いました。

世の中の人たちが、一体どういう事に対してネガティブな反応を持ち、どういう事に対して自民党を応援してくれるのかという事を分析したのです。

その結果、TPPを争点にはしなかった。

どういう事かと言うと、自民党を支持している人たちは、TPPに反対なのです。

 

今日は、自民党内の議員連盟「TPP交渉における国益を守り抜く会」の会合が開かれたのですが、西田昌司先生が、「批准しないという選択肢があるという事を広く国民に知らせていかなければならない」という発言をされて、皆さん、そうだそうだと言っていました。

「国益を守り抜く会」は、参院選後に人数が増えています。

(※「参院選での初当選議員らを加え、同会の議員は256人に増えた。」日本農業新87

 

ですので、安倍政権がTPPを推し進める事は腹が立つが、ちゃんと見極めて、批准の時に、批准させないという事を言わなければならないと思います。

 

今度ブルネイに行ってきます。

海外のNGOの方が何を期待しているかと言うと、日本がどんな状況なのか、日本が断固守り抜くと言っているものがTPPを壊す可能性がある、それを皆の前で言ってほしいと言われています。

私、ガンガンと主張してこようと思います。

 

私が主張する為には、皆さんが本当に私の言っている事の裏付けとなるように、反対の声をどんどんあげてもらいたいのです。

 

特に自民党の支持者であるという人にもちゃんと教えてあげて、自民党の支持者がTPPに反対しなければならないんだという事を言って下さい。

よろしくお願いします。

 

拓殖大学 関良基先生: 1時間29分過ぎ~

残念ながら交渉が始まってしまいました。

既に話が出ている通り、これとんでもないですね。

 

USTRが政府機関だと思ったら大間違い、暴力企業の利益代表部と化していて、グローバル資本主義と言って批判してきたんですが、資本主義でもない。市場経済じゃないですよね。

 

官民が一体となり、政官庁が癒着して、庶民の財布に寄生していかに収奪するか、これTPPの本質であり、それ以外の何物でもないという事が日に日に明らかになってきていると思います。

 

既に交渉が始まってしまって、どうすればいいのかという事を考えるんですけれど、WTOのドーハラウンドを見て下さい。

交渉が頓挫して動きません。

本来はWTOの場で、アメリカは今TPPでやろうとしているような事をやりたかったはずですよね。

でもWTOの場であると、あまりにも途上国の反対が大き過ぎてそれが出来なかった。

だから賛成してくれそうな仲良しクラブだけを作って、その中で要求を実現していこうという戦略に変えたわけですよね。

 

だけど、TPPの加盟国を見たら、日本みたいに情けない国だけじゃなくて、マレーシアとかベトナムとかカナダとかもうちょっと骨がありそうな国が入っていますよね。

なのでやっぱり、市民の力でWTOのドーハラウンドが頓挫して交渉が進まなかった様に、TPPをドーハ化させる。

内田さんが「ドーハる」をキーワードにしてやっていこうと言っていますが、これ可能ですよね。

 

例えば、WTOのドーハラウンドで、途上国が何を要求したかというと、アメリカの農業補助金は撤廃せよ。

あきらかに輸出補助金ですよね。

 

トウモロコシや綿花にどれだけの輸出補助金を付けて、メキシコのトウモロコシ農家を潰し、インドの綿花農家を潰し、インドの農民は30分に一人自殺している、25万人ですよ、自殺したんです。

アメリカの綿花補助金のせいで、インドの農民は、日々自殺している。

 

これに対して、綿花補助金を撤廃せよという当然の要求をし、WTOはそれを認めた。

しかし、アメリカは未だにWTO協定違反という判決が下っているのに綿花補助金をやめない。

 

だからドーハラウンドなんて放っちゃってTPP

私たちのなけなしの関税を撤廃させておいて、あいつらがやっている殺人的な、農家を自殺に追い込む農業補助金はやめさせる気は一切ない。

 

私たちが何をすればいいかというと、アメリカに正しい要求をする。

 

例えば、綿花補助金を撤廃せよ。

トウモロコシの輸出補助金を撤廃せよ。

 

それから、薬価は企業の独占的な特許料金引き上げる事を認めるんじゃなくて、特許料金を引き下げて、薬価を引き下げる。 

それを要求する。

日本はそんなに製薬会社にべらぼうな特許料金を認めるような事を今までしてきませんでしたけれども、アメリカ並みに製薬会社を儲けさせるような事をやろうとしている。

おかしいじゃないですか。

日本並みに、薬価の市場価格を引き下げるような事をスタンダードとしてやれ、と要求すれば、カナダだってベトナムだってマレーシアだってニュージーランドだって、そういう正しい要求をすれば乗ってきますよ。

 

他にも、遺伝子組み換えの表示義務については、日本並みにアメリカが表示義務を受け入れろ。

そうすればアメリカの消費者は大喜びですよ。

アメリカで世論調査をすれば、80%のアメリカ国民が遺伝子組み換え作物の表示義務を受け入れてほしいと望んでいるんです。

でも、アメリカの議会はその方針を審議せず、お蔵入りにしたままです。

表示義務を認める事が正しいのですから、そっちを認めさせる。

 

他にも山のようにありますが、軽自動車の規格を廃止せよとふざけた事をアメリカは要求しているじゃないですか。

 

燃費のいい車が駆逐されて、燃費の悪い車に置き換えようとしている、こんなバカな事をなんで21世紀においてやらなければならないんですか。

 

日本並みに燃費のいい車に税制優遇させる制度をアメリカが受け入れろ。

これを要求する。

 

燃費を引き下げる。

自動車の排ガスを規制する。

これをTPP加盟国の中で、最も高いスタンダードを持っている国の基準に合わせて、燃費基準を引き上げろ。

アメリカ市民と一緒になってそういう要求をしていけば、間違いなくTPPは「ドーハる」。

 

もう交渉が始まってしまった以上、日本政府はもうあまり頼りにならない。

例えば、マレーシアでは、アメリカ並みの特許料が認められれば、薬価が引き上げられる。

マレーシア国民はすごく懸念しているそうなので、これはもう味方にとにかく付けて、市民の声で正しい要求をしていく。

そうする事によって、モンサントも尻尾を巻いて退散する。

そういう状況を作り上げていかなければならないと思います。

皆さん、頑張っていきましょう。

 

この後、皆で「TPP反対音頭」に合わせて、盆踊りをしました。

 

振付の動画はこちらです→ 

http://youtu.be/PJ-HZCmn0AI

 

『~日本を守ろう~TPP反対音頭』

 

歌:泉耕さん(みちのくレコード)

振付:安田美絵

山本太郎議員: 1時間43分過ぎ~

TPP反対音頭の盆踊りについて)これ、覚えてブルネイで踊りたいくらいです。

 

TPP、これ絶対に止めましょうよ。

もう僕たちの生活が根底から覆されてしまいますよ。

これが民主主義かって話ですよね。

 

205人の自民党の議員さんにも、何とかロビー活動をしていきましょうよ。ここがひっくり返ってくれないと。 

やっぱり僕、全国回っていってTPPの話をして、何とか国民運動につなげていかないと、ひっくり返らないですよね。

頑張っていきましょうね。

 

※山本太郎議員も、TPP及び日米並行協議に関する質問主意書を提出しています。

( http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/184/syuisyo.htm )

 

 

内田聖子: 1時間45分過ぎ~ 

過去の二回の交渉と同様に、7月のマレーシアラウンドに、今回もアメリカのNGOとして参加をしました。

 

日本が交渉に参加をした723日。

この日私は、交渉会合が行われている高級ホテルの会場にいて、日本政府の交渉団が続々と入っていくところにいました。

 

当然ですけれども、ずっと反対をしてきて、皆さんと一緒に、全国の人たちと参加阻止という事でやってきましたから、そこにいて、本当に悔しい思いをしましたし、私があそこで騒いで止まるものなら、大騒ぎを起こしたいと思いました。

 

そこに来た日本政府の交渉団は100人規模いました。

TPP交渉に100人も交渉官を送り込むような国は前代未聞です。

もうびっくりです。

 

大体、交渉官は来るのは3040人が平均なんです。

少ない国は20人くらいで来ます。

 

100人も仕立てて、鳴り物入りでやってきた。

プラスそれに伴って、マスメディアがたくさん来ています。

100人くらいいたでしょうか。

 

プラス、業界団体もたくさん来ていました。

これはステークホルダーと言って、登録はまだ日本が参加していないので出来ませんでしたが、日本政府が来て入るという事で、情報を取りに来たわけですね。

例えば、経団連とか日本商工会議所、JA、畜産関係の団体など。

 

言ってみれば、直接的にTPPに利害関係があるビジネス界の方たちが多くて、これも50人くらい来ていました。

 

トータルで言えば、300人近くの日本の人たちが、コタキナバルというリゾート地に続々と詰めかけたわけです。

 

言うまでもなく、そこには私たちのような、ずっと反対をしてきたり、実際にTPPで被害を被る、生きていけないというくらい追いつめられる人たちが一切いません。

その場には全然いないです。 何の声も反映されていない。

 

日本の交渉官たちは、100人いましたけれども、会場に入るところ一つとっても長蛇の列を作っているんです。

その間、私だけが騒いで「テキストは読んだのですか」「交渉はどうなんですか」と聞いていましたけれども、誰も何も答えません。

目を合わした人も一人もいません。

皆、じっとうつむいて、黙々と会場に入って行きました。

 

マスメディアも、事前に報道の規制が相当かけられていたので、じーっと撮っているだけです。

誰一人として交渉官に何かを聞いたりという人はいませんでした。

私だけが騒いでいるという状況。

 

報道を見て怒りと失望でした。

お葬式の参列する人の列みたいだったんです。

日本とか、私たちの主権とか、いろんなもののお葬式なんだなと思いました。

民主主義の墓場というか。

もうこの列の先にはそういう絶望しかない、本当に思いました。

 

いろいろ考えると、もう私たちは狂った世界に生きている。

そう皆さん思いませんか。

もう、正常な思考回路では理解できないんですね。

 

なぜ日本が入るのか。

こんなに不利で、こんなに遅れて入って。

しかも、「テキスト一生懸命読んで徹夜しました」って政府の人は翌日自慢気に言っていましたけれども。 

あらゆる事がそうですよね。

麻生副総理のナチスの発言だってそうだし、もう普通の感覚や普通の精神では、何が起こっているのかが理解できない。

理解を越えている。

 

なので、私が今言いたい事は、撤回は当たり前ですし、ドーハ化させるのも当たり前ですし、とにかく運動をもっともっと強くしていかなければならない。

で、諦めないという事が本当に大事ですし、その狂った世界に生きているという事自体を変えていかなければいけない。

 

正気を取り戻そう。

本当に言いたい事です。

 

日本は変な国なんですよ、国際的に見れば。

なんで入ったの?って誰も説明出来ない。

私も交渉に行けば聞かれますよ、色々な団体から、どうするの?って。

 

最後に言いたいのは、残念ながら723日をもって立場は変えられてしまったんですね。

これまでは「交渉参加」に反対をしていた。

そういう国の市民であり団体であり一人一人だったんですが、全くこれは望んだ事ではないですけれども、交渉に入ってしまったという事を受けて、私たちは交渉に参加している国の市民、国民、人々になってしまったわけです。

 

その上で何ができるかという事を真剣に考えなければならない。

反対運動を強めるという事は当然ですが、やっぱり加速化していく交渉を細かく見て、関与していく事が重要だと思います。

 

さっき議員にロビーしようとありましたけれども、とにかく政府は一切の情報を隠しています。

秘密保持契約とかありますので。

 

でもそれを絶対におかしい、許されないという事を声をあげていく必要がありますし、交渉がどうなっているかという事に、とにかくありとあらゆる手を使って、干渉する、関与するという事が必要だと思っています。

 

他の国の運動団体は、ずっと3年間、交渉参加国として反対をしてきているので、私たちが交渉に参加したからと言って、ああもうだめだという風に諦めちゃいけないんですね。

そういう人たちと一緒に運動していくという事が必要だと思っています。

 

 

坂口正明: 

TPPに入ってしまいましたけれども、安倍首相が順調にいっているだと思うと大間違えだと思います。

安倍首相が参議院選挙の後、ねじれが解消されたと喜んでいましたけれども、国民とのねじれで言えば、ますます強まった、大きくなったという事だと思います。

 

冒頭に、安部(芳裕)さんから紹介がありましたけれども、自民党が参議院選挙で地方自治体の首長、農協をかなり脅したと。

これっていうのは結構あぶない事なんです。

というのは、自治体の一割を超える議会が、実は「慎重」とか「懸念」という決議を既にあげているところで、首長にその決議に反した行動をとらせるという事を自民党は無理強いしている。

この事一つ取ってみても、この国民世論とのねじれを本当に強めている証拠だと思っています。

 

そして、実際に入ってから、国民の方が反対運動というものが広まってきているという事を実感しています。

先週も二か所で学習会をしましたが、今までやらなかったような人たちがやっている。

それはなぜかと言うと、今までは入るかどうか分からなかったけれども、いざ入っちゃったら本当に大丈夫かという気持ちが強くなってきているという事を実感します。

 

それと同時に、入っちゃったらいよいよ秘密だという事がはっきりしてきたじゃないかと。

この事にも、やはり国民は懸念の声、あるいは反対の声を強めている理由だと思います

 

しかも、まるで秘密という事ではない。

財界だとか多国籍企業の幹部とは、打ち合わせをしながら交渉官は事を進めているのです。

つまり一部の、この交渉によって儲けるであろう多国籍企業の幹部には秘密ではない。

一方、この被害を受けるであろう圧倒的多数の方々に対しては秘密。

つまりこれは明らかになれば、圧倒的に反対の声が強まるという事を彼ら自身が自覚しているからに他ならないと思います。

 

だからこそ、これからの運動を広めつつ、情報戦にも勝っていく事が大事な戦略になっていくと思います。

 

みなさん、運動は確かに進んでいます。

729日、弁護士グループがTPP反対のネットワークを立ち上げて、今、急速に各地で運動を支えようと、運動、あるいは話し合いを進めています。

そして、この弁護士グループを含めて、大学教員の方々だとか、我々市民グループで、今もっと大きな運動を作っていこうと相談を始めています。

そういう事をやれる条件が出てきているという事なんです。

その事にも確信を持っておおいに頑張っていきたいと思います。

 

彼らも焦っています。

8月にブルネイの会合を入れたという事は、このままじゃ年内に合意が出来そうにないという事で入れたわけですから。

 

彼らも交渉の中でいろんな矛盾にぶつかっています。

それをさらに広げていくのが我々の運動です。

そして世論であり国際的な連帯だと思います。

この事に確信を持って、我々も運動を進めていく事を誓い合いたいと思います。

 

【新聞】 

●日本農業新聞
[TPP反対ふるさと危機] TPPは身近な脅威 官邸前 抗議活動1周年 (2013/8/2)

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=22520

 

諦めないで訴えを TPP官邸前デモ、8月で1年 (2013/8/7)

http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=22637 

 

●しんぶん赤旗

「TPP秘密交渉は即撤退」 官邸前でアクション 紙、吉良両議員激励あいさつ

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-07/2013080715_01_1.html

呼びかけ文

 日本には何のメリットもなし! TPPからの即時撤回を!

「STOP TPP!! 官邸前アクション」
8月6日(火)18:00~20:00

 

 7月23日、日本はとうとう、12番目のTPP交渉参加国となりました。自民党の公約破りや、国民への説明責任の放棄、日本のメリットが何も確約されてない状況で、3月以降に規制事実だけが積み重ねられた上での参加です。

 マレーシア・コタキナバルで開催された第18回TPP交渉会合の最後の3日間だけ、日本は参加を果たしましたが、ここではこれまでの交渉経過の説明などを受けただけで、実質的には何の主張もできず終わっています。しかし政府は、「交渉の余地はまだある」「聖域は何としてでも守る」と根拠のない楽観論を述べています。TPPは極度の秘密主義であるため、政府にさまざまな質問や要請を私たちがしても、「答えられない」との一点張りです。これでは、どこにどう交渉の余地があるのか、また交渉が本当に日本のメリットになっているのか、危険な点はないのかなど、私たちはいっさい知ることができません。

 このような「異常な契約・交渉」にこのまま入って、交渉を続けることは私たち主権者をふみにじるという意味で、許すことはできません。

 私たちは改めて、参院選直後、そして日本のTPP交渉参加直後のこの時期、日本のTPP交渉参加からの即時撤回、そして安倍政権の責任を追求するべく訴えます。

 「STOP TPP!!官邸前アクション」は昨年2012年8月から開始しました。今回、8月の回で1周年となります。当日は、1周年に関連した企画も用意しますので、ぜひご参加ください。

STOP TPP!! 官邸前アクション 実行委員会

 

 

【当日の内容(予定)】

●参院選直後!反TPP議員とつながろう!

7月の参院選で当選した反TPP議員の皆さんに声をおかけしています。

●どうなったのか?マレーシアTPP交渉報告

:内田聖子(アジア太平洋資料センター事務局長)

●サルでもわかる!TPP

:安田美絵(プロジェクト99%)

●徹底解剖!参議院選挙の結果

:安部芳裕(プロジェクト99%)

※その他1分スピーチコーナー、ゲストトークなど

☆STOP TPP!! 官邸前アクション 1周年記念!☆

【納涼盆踊りでTPPよ、さようなら!】

『~日本を守ろう~TPP反対音頭』

 

歌:泉耕さん(みちのくレコード)

振付:安田美絵

 

一緒に踊りましょう!

浴衣での参加も大歓迎です。


「STOP TPP!! 官邸前アクション」

●日時:8月6日(火)18:00~20:00

●場所:首相官邸前

丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前」駅 3番出口(徒歩1分)

有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅 1番出口(徒歩5分)

銀座線・南北線「溜池山王」駅 7番出口(徒歩5分)